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自分直接情報(vol.239/2004.05.23)

5月から6月に向かうこの季節になると
入院中、病棟の窓のそばにあった栗の木の花の匂いを
すごく思い出します。
というか、それしか覚えていないというか…。
あんまりよい香りではなく、鼻につく妙な匂いでした。
他にもいろんな思いがあったり、
いろいろな人がお見舞いに来たり手紙をくれたり、
自分でも本を読んだり絵を描いたりしたはずなのですが、
記憶にあるのは、一日中栗の花の妙な匂いをかぎながら
過ごしたことだけなのです。

こんなこと、人に話しても「へええ」くらいで
感動もなにもないし、しょうもないと思うので、
誰にも言ったことはありません。

でも、こういうことが結構残るんですよね。
入院に限らず旅行なんかでも、
ちょっとした音とか光とか匂いとか。

私たちは人生で知識みたいなものを詰め込んだり、
人に伝えたりすることに慣れてしまっているけれど、
本当は自分の人生に役に立つこと、残ることは
こういう「自分直接情報」なんだと思います。
栗の木の花の匂いが臭かったな~、みたいな。

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