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長編小説の醍醐味(vol.266/2004.10.29)

現在の世の中はものごとの進行する速度がものすごく速くて、
時間をかけて悠長に長い小説を読んでいる暇なんかないよ、
というのが多くの人々の考え方のように思います。
私も病気になる前の2~3年は、
仕事の知識として必要な本は読みましたが、
いわゆる物語というのは全く読みませんでした。

そして半年の突然の入院。
時間があるので本をいろいろと読みました。
よい機会だと思って、長編小説をたくさん、日がな一日、
読んでいました。
特に入院前に本屋で直感的に手にとり入院先に持参し、
その後、私の人生最大の愛読書となった村上春樹さんの
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。
これは生まれて初めて何度も繰り返して読んだ小説でした。

どうしてか?
きっとそうする必要が私にはあったからです。
物語の中に入り込んで、自分の想像力をフルに働かせる。
そうすることによって、他では得られない喜びを
得ることが出来たからです。
仕事では「人との出会い、人間関係が大事です」と
語る私ですが、でも人生はそれだけでなく、
たった一人になって長編小説に入り込んでいって、
ここではないどこかの心の深く暗い森の世界に、
一人でズンズン入っていくことも
とっても大事だと思います。
それは人と関わることとはまた別の側面を、
確実に育てていくことだと私は思います。

そう思って今秋はラテン文学最高峰「百年の孤独」に挑戦し、
数日前になんとか読み終えました。(主に真夜中の読書)
しかし入院中のように、日がな一日読む、
という集中的は時間を作り出せませんでしたので
今ひとつ、心の森には分け入ることが出来ませんでした。
4年前の冬の陽に照らされながら
ベッドの上で黙々と本を読んだ日々が懐かしいです。

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