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トム氏の実験(vol.295/2005.05.17)

20世紀の中ごろ、NYのコーネル大学の研究室に、トムという名の
雑役夫がいたそうです。
彼は9歳の頃に煮えたぎったクラムチャウダーを飲んで、
食道に重度のヤケドを負い、胃の形成手術をしたそうです。
しかしそれは失敗に終り、トムのお腹の穴からは
胃の粘膜が露出した状態になってしまったそうです。
つまり、つねにじぶんの胃の色、状態を
そのままトムは、見ようと思えばいつでもシャツをめくれば
見ることが出来る状態になってしまったのです。
そのため、お詫びと研究材料を兼ねて、
彼は研究室に勤めて一生を終えたそうです。
彼の胃は怒ると驚くほど赤くなったり、
不安になると真っ白になり、学者を驚かせたといわれています。

そんなトムさんは大変な一生だったと思いますが、
ある意味で常に自分の体からフィードバックが来るのですから、
それはそれですごいことだと思います。
私の胸は一応薄い皮膚が貼り付いていますが、
やはりトムさんの胃のように、
気持ちがカサついてキリキリしてくると、
摘出して骨の上に貼り付いた右胸の皮膚が
ギリギリと締め付けられたようになります。
楽しいことがあると、忘れています。
怯えていると薄い皮膚もググ~ッと縮こまっています。

50年以上前のトムという人の胃を思いながら、
私は複雑な気持ちです。

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