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月夜のボタン(vol.303/2005.07.16)

たしか中原中也の詩で「月夜のボタン」というのが
あったとふと思い出しました。
内容は、月夜を散歩していたらボタンを拾って、
そんなものすぐ捨てようとしたのに
なぜか捨てられず、袂に入れて持って帰った、
というようなものだったと思います。

詩ですから「月夜のボタン」というのは比喩で、
当時の中也にとっては、
どうしても、非合理でも生きていかなくてはならない、
この世みたいなものだったのかなあと理解しています。

先日、患者会の病院訪問ボランティアを
立て続けに3名やりました。
3名ともまったくタイプの違うがん患者さんでした。
トンボ玉のようなキラキラしたボタンを
もう既に持っている人。
硬い原石の水晶のようなボタンを隠し持っている人。
最後の人はまだボタンを探している人でした。

それぞれガラス玉でもなんでも
自分なりの「それでも生きていく」を見つけたとき、
初めてもう一つの人生が始まっていくのだと思います。

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