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意思を持つと(vol.82/2002.06.05)

入院中、同室だった子宮がんのTMさんは
息子さんとの二人家族で、
たった一人のその息子さんは初めのころは
まめにお見舞いに来ていたのですが、
段々足が遠のくようになりました。
そうするとTMさんは毎日毎日横になったまま、
テレビを日がな一日眺めて昼寝して過ごしてました。
看護婦さんが「散歩したら」とか、
「シャワーでも浴びたら」とか言っても、
黙ってボーっとしてました。

ところがある日曜日の朝、彼女が家に電話をしたら、
これから息子さんが今から来るということがわかり、
それは本当に久しぶりだったので、口では荒っぽく
「なんか来るんだって!」と言ってましたが、
ハタからみても、ものすごく嬉しそうでした。
いきなりパジャマを新しいのに着替えて髪の毛を梳かし、
コインランドリーに行き大量を洗濯を始めて、
売店にヨーグルトと新聞を買いに行き、
挙句の果てに病室の窓の掃除まで始めました。
その後、巡回の看護婦さんから
「お化粧しちゃったの?」と
尋ねられるくらいに彼女の唇の色は
薔薇色に変化しました。

意志を持つと
「人間、変わるもんだ」とつくづく思いました。
意志が持てないと本人でさえ、
自分がどういうことを望んでいるのかさえ、
わからないのが人間なのだと実感しました。

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