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夢の技法(vol.412/2009.02.16)

写真家であり、文筆家である
藤原信也さんの『なにも願わない手を合わせる』
(文春文庫)の中に
「浄土夢」という言葉が出てきます。

それは著者がある日、見た不可思議な光景の中を歩く夢。
かつて旅したいろいろな地方の光景、路地裏、仏塔などが
ミックスされて構成されたもので、
その夢の中の光景は目覚めてからも甘美な思いを彼に残したので
「浄土夢」と名づけています。
そして意識してその夢を思い出し、
心を半ば、瞑想状態にしていくのに役立てようとしています。
どんどんとそれに長けてきていると書いてあります。

自分にとってもそんな浄土夢にしたいような夢の光景があります。
それは退院直後に見た夢。
入院中、担当医を務めてくれたT先生となぜか山の中の
炭焼き小屋のようなところで、
その前の土地を耕して何かを植えている夢。
そこでは、カッコウが鳴き、朝霧が流れ、朝露と緑の匂いがありました。
そして小屋からは何かの煮炊きなのか、炭焼きのためなのか、
煙がゆっくり立ち上っていました。
アロマのパインウッドのようなよい匂いをくんくん嗅ぎ、
鍬を奮って夢の中の私は結構たくましく、
T先生と小さな畑のような土地を耕し、時々微笑み合っていました。

起きた時、あまりの気持ちよさにぼ~っとしました。

藤原さんは
「町の喧騒の中でも電車の中でもその浄土夢を
取り出し入っていくと心地よい」と書いてます。

それは究極の精神の自由。そして贅沢。

私もこの森林の鍬を奮っている光景を
自分の浄土夢にしていこうと思います。
あるいはまたもっと増やしていこうと思います。


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