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告知が内包しているもの(vol.476/2013.10.07)

13年前に入院していた大学病院のドクターから
一昨日「10月1日に都内近郊でクリニックを開設しました」
というメールが届いた。

直接の主治医ではなかったが
私の手術に立ちあったチームドクターの一人だったし、
入院仲間の主治医だったので、
退院して数年してから皆で飲み会をしたこともあった。

彼のメールには
「まだ開院したばかりだから仕方ないとは思うけど、
一日患者が5名ということもあって、正直、めげます」
と書いてあったので
私は「これからですよ~。
私なんて先行きの見えない仕事を24年もやってますから」
と励まし、ハッパをかける返信をした。

メールを送信してから、思ったのは、
これでは、完全に立場、逆ジャン!(*^_^*)

そしてふと思い出したのが『こころの最終講義』 
河合隼雄:著
(ユング派心理学の第一人者、元文化庁長官)新潮文庫
に出ていた文章。

この本は京都大を退職する際の特別講義が中心になっているので
最後ということで「思いつきを話しました」という箇所が多く、
河合氏のユニークな考え方が沢山出ている。

その中で語っているのは彼は
常日頃から「受胎告知」の絵を見るのが好きだったそう。
(既に河合先生は亡くなっている)
天使やマリア様の描き方は様々だそうで、
絵によってはマリアは畏まって聞いてなくて、
あらぬ方向を向いているのもあるそう。

そこから考えを発展させて、

 “ある日お医者さんから
  「おい、おまえ、がんだ、もう死ぬぞ」と言われたら、
  絶対その医者の目なんか見ることが出来ないというのと
  同じだと思います。”(本分引用)

そして最終的に河合先生が推察しているのは、
「告知を受けているマリアのほうが後で昇天する」ということ。
つまり後で関係が完全に逆転するということ。

 “こういう関係だと思っているときに、
  実は逆転の可能性を大いに持っているのではないでしょうか。”
  (本分引用)

なるほどね~。

別に私が偉くなったということではないけど、
うなだれて絶望の中で聞いた「がん告知」から
13年という月日の中で
都内の事務所を継続させ、
好きな仕事が少しだけど発展し、
本が3冊出せ、
大学で授業や研修が出来、
ドクターを研修し、
オリジナルツールを開発し、
と振り返るだけで、
私は「告知」の恩恵に十分に預かっているのだと思う。

だから河合先生の「逆転の関係」の見解は
絵空事でも非科学的なのでもないと、
私自身の13年を振り返って強く同意したい。

とにかくがん告知されてびっくりしても、
ただ毎日を懸命に生きたら、
その人の人生で必要なものが結実し、上昇していく、
そんなふうに思う。

そして最後に、フレ~、フレ~、F先生。(@^^)/~~~

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