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紫陽花が美しく見えるということは(vol.492/2015.06.05)

「花を見て、綺麗だな、
 と思うことが出来たら、大体は大丈夫」

と医者から言われた、
と村上龍氏(作家)は以前に
フリーペーパーの中のエッセイで語っていた。

自分も同じようなことを16年前の入院中に
言われたことがあった。

当時の私は半年にも及ぶがん治療生活に
飽き飽きしていた。
そしてその病棟生活の最後の月が6月で
湿気が多くて日が差さない毎日に
「気持ちがめげる…」とぼやいたら
若い担当医から笑顔で上記のように言われ、
しぶしぶ花を見に外出したのだった。

村上龍氏は小説家として華々しくデビューし、
あまりに初作品が売れて
ちやほやされているうちに軽いうつ状態になり、
病院に行った際に医者に言われたと
告白していた。

そして私も村上龍氏も
たまたま言われたその季節が梅雨で、
町のあちこちに健気に咲いている
紫陽花の美しさに息をのむ体験をしていく。

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元々私は子供の頃から紫陽花が好きだったが
放射線治療を受けながらの
あの16年前の紫陽花の鮮やかさは
どう表現していいかわからない。

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紫陽花に近づいてみると
花びらは実に精妙でまるで蝶の羽のようにも、
南国の海の貝のようにも、
珊瑚のかけらのようにも見えた。

大変な状況で最大限の努力をしている人間に
花はベストな美しさを
プレゼントしてくれるのかもしれない。

写真は今年の家の近所の
小さな教会の玄関横に咲いている紫陽花。

一つの根から出た茎が分かれ
色とりどりの花をつけ、まさにザ・紫陽花。

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その前を通るたびに美しく見えるが
あの16年前の輝きにはかなわない気がする。

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